第37代理事長 大澤 泰弘
第37代理事長 大澤 泰弘

 2022年度 一般社団法人 牛久青年会議所

第37代 理事長 大澤 泰弘

理事長所信

<始めに>

 新型コロナウイルス感染症の拡大により直接人と会うことが難しくなり、私たち青年会 議所は思うような活動をすることができなくなりました。私たちは人と会って真剣に話をし、共に同じ時間を過ごし信頼関係を築き、地域の課題に向き合いより良い地域にするために必要だと思うことを事業として行う、そういう活動をしてきました。しかし、人と会うことが難しくなったことからメンバー同士も会う機会が少なくなり、メンバー以外の外部の人と会う機会はさらに少なくなったように感じます。青年会議所は青年会議所だけで活動をしているわけではなく、市や県などの公的な団体、民間団体や地域の住民の方々の協力や理解を得て活動が行えています。私たちの先輩方が作り上げてきたこの青年会議所に対する信頼や期待を無くすことなく、コロナ禍の今だからこそ繋がりの大切さを改めて認識しましょう。そして、自己判断という自己を優先する中でも、思いやりや助け合い、人に対する優しさの大切さなどを忘れずに、それぞれが今何をするべきなのか考え行動していきましょう。
 私は一般社団法人 牛久青年会議所に入会した当時、積極的に活動に関わることはしていませんでした。なぜこんなに時間をかけてやっているのだろうか、こんなこと無駄ではないか、と思うようなこともありました。「青年会議所はこうなんだ」と先に入会しているメンバーから聞かされても納得できないこともありました。しかし委員長という役職をいただいてから意識は変わってきたと思います。一つの委員会の長となりその構成メンバーを自分で決め、自分で議案を作るようになってその責任、楽しさ、難しさを感じることができました。一度は退会することを真剣に考え誰とも連絡を取らない時期もありました。そんな中でも気にかけてくれるメンバーがいて、もう少し頑張ってみようかなと思い再開することになりました。青年会議所に所属していることで今までなら会うことがなかった人たちと会う機会ができ、信頼できる仲間も作ることができます。「〇〇さんいつも頑張ってるな、私ももうちょっと頑張ってみよう」とか「〇〇さん何か困ってそうだな、力になってあげよう」とか、そういう思いを持てる仲間を作ることで、今まで以上に青年会議所の活動や運動に取り組んでいけるでしょう。信頼し合える仲間と共に、社会により良い影響を与えていきましょう。

 

<まちづくり>
 日本の総人口は平成20年をピークに10年連続で減少していますが、高齢化は進行しています。牛久市の高齢化率は30%に徐々に近づいており、一人暮らし高齢者や認知症高齢者も増加すると考えられています。私たち一般社団法人 牛久青年会議所のメンバーは40歳未満の若者で構成されていますが、誰もが将来は高齢者になります。私たちの子どもの世代も同様です。高齢者人口が増えていく現在の状況を考えたとき私たちは何をするべきでしょうか。まちは各世代だけで作られるものではなく、世代を超えて若い世代も高齢世代も一緒になって作られていくものです。世代の隔てなく地域でコミュニケーションを取り、誰もが取り残されることのないまちを作り上げていきましょう。
 新型コロナウイルス感染症により人と接する機会は減りました。それにより人との繋がりが希薄になったように思います。人は誰もが自分一人だけで生きているのではなく、人の支えや協力があってこそ生きることができます。私たち一般社団法人 牛久青年会議所が行う事業も私たちだけではできません。市民、地域、団体、行政など多くの人の協力を得ることで事業ができ、その効果も大きくなります。人との繋がりの重要さを再認識し、より良い協力関係を築いていきましょう。

 

<拡大研修>
 青年会議所に入会する目的は何でしょうか。その目的は様々で、全員が同じ目的をもって入会するわけではありません。私は当初仕事を始めたばかりで繋がりを作りたいということから入会しました。青年会議所が何を目的にしているのかということは何も分かっていませんでした。しかしよく分からない中でも活動をしているうちに何をしているのかを知り、仲間ができて繋がりが生まれます。まずは一般社団法人 牛久青年会議所の存在を広く周知し、多くの人が興味を持ってもらえるように行動をしていきましょう。そして少しでも興味を持ってもらえたらそのサポートを全員で行い、快く迎え入れ私たちの運動の理解者を増やしていきましょう。
 私たち青年会議所は社会奉仕をすることが信条の一つです。地域のために何ができるのか、何をするべきなのか、これらを常に考え課題に取り組んでいくべきです。社会奉仕をする一方で、私たちは地域の経済を担う青年でもあります。地域の経済を担う青年として自身が経営する会社や所属する会社を発展させることが必要です。会社と自身を成長させることで視野も広がり、より地域に目を向けられるはずです。地域の経済を担う青年として成長できる機会を提供し、地域貢献に繋げていきましょう。
 また、私たち青年会議所は地域に根差した団体であり、この地域で生活をする多く人が私たちの仲間となってくれることで運動の効果も大きくなります。この36年間取り組んできた会員拡大の情報を見直し、目標となる人数を定め、その取り組み方を考え全体に周知し、拡大研修委員会が主体的に行動していきましょう。

 

<次世代育成>
 現代の子どもは小学生から自分のスマートフォンを持ち、授業でもパソコンを使うなどインターネットを利用する機会が増えています。子ども間のコミュニケーションでは、SNSやメッセージアプリなどで連絡を取るのが当たり前になっており、スマートフォンを持っていないと不便という場面が子どもの世界では少なくありません。インターネットが身近である一方、インターネットによるいじめの問題が発生しています。その原因の一つとして、子どもが自分の言葉や行動が相手に及ぼす影響をあまり自覚していないことが挙げられます。自分の言葉や行動が相手に及ぼす影響を知り、何が良くて何が悪いことなのか、どうしていけばよいのかを子ども自身がしっかりと考え、思いやりの心を育むことで、より良い次世代の育成に繋げていきましょう。
 子ども間のコミュニケーションだけではなく、親子間のコミュニケーションにおいてもSNSやメッセージアプリが利用されています。子どもの反抗期や共働きの夫婦など、子どもとの時間が過ごせない場合でも顔を合わせなくてもコミュニケーションが取れるスマートフォンは便利です。一方で、スマートフォンは画面越しのコミュニケーションがメインのため、人と向き合う機会が少なくなります。このような習慣がつくと親子間のコミュニケーションも減ってしまいます。スマートフォンを通じてインターネットの世界に繋がれば様々な情報を得ることができ、子どもの視野は広がりますが、コミュニケーション能力やその機会が減少することは望むことではありません。スマートフォンが当たり前の今だからこそ、対面でのコミュニケーションをとることの大切さを学び、親子間のコミュニケーションを深めていきましょう。

 

<入会 5 年未満メンバー>
 現在一般社団法人 牛久青年会議所には入会 5 年未満のメンバーが多く在籍しています。入会後は委員会に配属されその中で青年会議所について学んでいきますが、青年会議所について深く学ぶ機会はありません。青年会議所について深く学びその活動や運動の意味を知ることで、地域により良い影響を与えられる運動ができることでしょう。また、一般社団法人 牛久青年会議所の未来を担う入会歴の浅いメンバー、中でも現在副委員長、運営幹事、委員となっているメンバーにとって、今後も長く青年会議所運動を続けていく上で、青年会議所はどういうものなのかを理解することは非常に重要です。これら入会 5 年未満のメンバーには青年会議所について学ぶ場を作り、所属しているメンバー全員で共に学ぶことで、自己の成長に繋げていきましょう。
 そして、青年会議所について学び理解を深めることで、私たちはさらなる発展ができます。青年会議所に入り活動をしていく中で、「この役職に付いたら自分ならこうしたい。これを目指していきたい。」そう思うこともあるでしょう。自分だったらどうするかという思いは大切です。青年会議所の一員であるという自覚を一人ひとりが持ち成長することで、一般社団法人 牛久青年会議所としての成長にも繋げていきましょう。

 

<組織運営>
 組織を円滑に運営していく上で、事務局財政局の役割は重要だと考えます。会議の設営、議事録の作成、スケジュールの管理、会計の管理、各種連絡など、表に出ることは少ないですが、これらの基本となる事柄にしっかりと取り組むことで、組織は動くことができます。ただの作業として取り組んでしまうことなく、なぜ行うのかを考え、理解するように努め、会の支えになりましょう。
 また、青年会議所では各地で様々な対外事業が開催されます。それら対外事業へ参加する場を提供し、参加することによって今後の青年会議所運動に取り組む目的意識を向上させ、メンバーの自己成長に繋げていきましょう。
 そして、本年度ご卒業されるメンバーがいます。所属年数や関わり方はそれぞれ異なりますが、一般社団法人 牛久青年会議所にとって大きな力となりました。ご卒業されるメンバーに感謝の気持ちが伝わる卒業式を、残るメンバー全員で企画し盛大に開催しましょう。

 

<結びに>
 青年会議所のことはよく分からないままJAYCEEとしての活動が始まりました。入会後は 8 月例会を控えている委員会に配属され、次世代の子どもと共に事業を行いました。その事業の目的は分からない中でしたが、何かの役には立っているんだという思いだけで満足していました。あれから間もなく10年が過ぎようとしています。この間様々な役職を務めさせていただきました。そして、本年度は理事長職をお預かりすることになり、一般社団法人 牛久青年会議所を導いていく存在となります。私がこれまで勉強させていただいたことを伝え、信頼し合える仲間と共に成長し、みんなで地域のことを考え、青年会議所として挑戦を続けていきましょう。