第34代理事長 高橋 太一
第34代理事長 高橋 太一

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<はじめに>

 青年会議所は、地域に必要な運動をする団体でなくてはなりません。一般社団法人牛久青年会議所は、33年間の歴史があり先輩諸兄の皆様が汗と涙の結晶で築いてこられました。そして、現在では、多くの方に認知され信頼される団体となり、私たちはその事を深く受け止め運動していく必要があります。

私は、2011年に入会し、地域を変える為にどうすれば良いのかを真剣に考える方々と出会いました。その頃の私は「仕事にどうすれば繋がるか」「人脈を増やしたい」など自分の事しか考えられませんでした。しかし、当時の先輩諸兄の皆様は、青年会議所の活動をしている時には自身の利益の話は一切なく、人の為に、地域の為にどうすれば良いかを試行錯誤しながら朝方まで話していたのを今でも覚えています。その頃、東日本大震災が発生し、青年会議所の活動が一時的に止まり、控えていた例会事業も流会となりました。しかし、すぐに青年会議所活動が再開し、今、私たちが出来る事を考え運動する事になりました。そして、自分たちも被害を受けているにも関わらず、自分たちの事だけではなく、地域の事を考える先輩諸兄の皆様に憧れを抱き、今では私も当時の先輩諸兄の皆様の気持ちと同様に、青年会議所を続けております。だからこそ私たちは、単年度だけの責任ではなく、33年間の歴史を背負う覚悟と気概を持ち、今まで一般社団法人牛久青年会議所に携われた方々の想いを絶やす事無く、自分自身の可能性と地域の可能性を信じ、新たな事に果敢に挑戦していく2019年度にして参りましょう。

<会員拡大>

私たちが地域に対してまちづくりを行っていく為にも、会員の拡大は重要であります。

会員の拡大は活動ではなく運動という事を理解し、全員拡大を目指して運動発信して参りましょう。しかし、全員拡大とは一人が一人を拡大するのではなく、経験が個人個人によって異なる状況の中で一人ひとりが出来る事を行っていく事が全員拡大に繋がっていくと私は考えます。例えばアカデミー会員は、知り合いはいるけれどまだ青年会議所の事が分からない人もいるでしょう。また、歴の長い会員は、知人は紹介していないけれど青年会議所の魅力は話せる人がいるという事から、各々が最善を尽くせるやり方があると考えます。本年の未来へ繋ぐJAYCEE拡大委員会では、しっかりと一人ひとりの会員拡大に対して出来る事を明確化し、自分が出来る事以上の事を発信できる全員拡大を心掛けて参りましょう。そして、多くの入会候補者と懇親を深め、青年会議所の活動や運動を理解していただく機会を創出し、会員の拡大に繋げて参りましょう。また、入会予定者には、しっかりと青年会議所の活動や運動内容を理解していただける機会を作り入会に繋げましょう。

 そして、私たちが活動や運動をしていく中で身近な方の理解は必要不可欠であります。毎年12月では家族例会という形で、私たちの1年間の活動報告や感謝の気持ちを伝え理解を得られるよう構築して参りました。青年会議所への理解を持っていただく為にも、日頃から運動内容などを伝える事は勿論必要な事ですが、身近な方々に青年会議所の運動をより知っていただく為にも、実際に経験していただく事が必要だと考えます。その為にも、各委員会と連携を図り、1年間の集大成の場として会員の身近な方々に対して運動発信をして参りましょう。

<組織活性>

 まちづくりは人が行っているものであり、その「人」と呼ばれる私たち会員一人ひとりが当事者意識をしっかりと持ち、地域発展の可能性を信じ真剣に向き合っていく事が何よりも大切であります。本来あるべき青年会議所運動とは限りない可能性があり、不可能などないと確信しております。そして、私たちの運動が地域に浸透し、意識変革に繋げる礎となる為にも、組織力を向上する事が必要です。

ここ数年で歴の長い会員や幅広く役職を経験した会員が卒業する事になり、アカデミー会員が多くなる事も視野に入れ、まずは青年会議所の運動の本質を理解しなければなりません。そして、本質を理解した上で私たちの運動の可能性を広げていく事が必要となります。私たちは、地域の問題を解決する為に必要な要素を取り入れた事業を毎年開催しております。しかし、大きな思想を抱いていても、現実的に難しいと思ってしまう事や限られた予算の中で構築しなくてはならないと考えてしまい、思っている事が出来ない現状もあると考えます。そのような思想を現実にする為にも、青年会議所の仕組みの中で可能性を見出し、幅広い視野を持って運動発信のできる人材の育成を図り、組織の活性化に繋げて参りましょう。

また、地域発展の可能性が幅広くあるのと同様に、会員一人ひとりの成長の可能性も幅広くあると考えます。成長とは、自分が経験したことのない事に挑み、失敗を恐れず最後まで諦めずに向き合った者に与えられる対価だと考えます。その為にも、悔しさや達成感というのは必ず必要な要素になり、やりがいを感じる事が大切だと感じます。しかし、目的を達成出来なかったからそれが失敗ではなく挑戦をしなかったことが失敗であると私は考えます。青年会議所の活動や人生の中で、いつか訪れるかもしれない困難にも挫折する事なく正面から立ち向かい、何事にもしっかりと目的を持ち、挑戦しようと思う人材の育成をし、組織活性化に繋げて参りましょう。

<次世代育成>

 平成27年の国立青少年教育復興機構の調査によると、現代の子供たちは、自己肯定感が低いと問題視されています。自己肯定感とは自分自身を大切な存在、かけがえのない存在だと思う事であり、自己肯定感が低いと他人から叱られたり注意されたりするだけで、「自分は必要とされていない」「自分は大切にされていない」など、自分に自信が持てなくなってしまいます。さらには、様々な課題にぶつかった際に自分自身の考えを肯定出来ないが故に、不安や悩みが多くなってしまいます。子供の自己肯定感は本来、家庭や地域コミュニティー、人と人との関わりの中で養われますが、核家族化の進行や地域コミュニティーの希薄化が一因となっています。このような環境の中で、私たち青年会議所として出来る事をしっかりと調査し、運動発信をして参りましょう。自己肯定感を育む事で、大人になってからも自分に自信が持てるようになり、様々な事に挑戦していく意欲の高さや何事にも積極的に取り組んでいく前向きさ、社会性が身に付きます。

これは子供たちだけに問題があるのではなく、子供を教育する立場である私たち親世代に問題があり自己肯定感の必要性を私たち会員も含め、親世代の市民の皆様に発信して参りましょう。そして、私たち会員がしっかりと子供たちとの接し方を理解し、子供たちが自己肯定感を育める機会を創出し、社会に出てからも自分に自信を持って困難にも立ち向かっていける子供たちを育成して参りましょう。

<地域活性>

 多くの地域で人口減少問題が叫ばれている中、近い将来、牛久市の人口も減少していくと予想されています。しかし、人口増加を目的として他の地域から牛久市への転入を見越したまちづくりを行ったとしても、どこかの地域で影響が出てしまい、根本的な解決には至らないと考えております。各々の地域が潤っていく為にも、近隣の地域資源を上手く活用し、観光客等の交流人口を増やしていく事が必要だと考えます。

近年、圏央道の開通などにより交通の利便性が更に良くなり、牛久大仏への観光客が増えております。しかし、多くの観光客が牛久市に来訪しているのにも関わらず、大抵は牛久大仏のみの観光で留まってしまっている現状があります。この理由としては観光ルートが確保されていない事や観光客に地域の魅力が伝わっていない事が主な理由として挙げられます。とは言うものの、新しく観光施設を建設する事等は莫大な費用が掛かってしまい簡単な事ではありません。そこで考えられるのは、牛久市の地域資源の魅力を全面的に発信するのは勿論の事、牛久市だけに目を向けるのではなく、近隣市町村と連携し、各々の地域資源を上手く活用して交流人口を増やしていく事が必要だと考えます。交流人口を増やす事で、市の税収も上がり、更にまちづくりの資金へと繋げられ、相乗効果を生み出します。今こそ青年会議所のスケールメリットを存分に活かした広域まちづくりを推進して参りましょう。

<環境問題>

 地球環境問題には、地球温暖化、オゾン層の破壊、森林破壊、酸性雨、生物種の絶滅、砂漠化、ゴミと廃棄物問題、原子力核廃棄物問題など数多くの問題があります。これらの問題を解決していく為には、一人ひとりが環境問題の改善に向けて意識を変え、身近な事から行動に移していかなければなりません。その打開策としては環境問題に対する当事者意識を持つことが必要だと考えます。当事者意識を持つ為には、相手の立場になって物事を考える事が何よりも大切であり、食べ物1つ例にとってみても、食卓やお店に出てくるまでに色々な方の並々ならぬ努力や苦労があります。慎重に管理しながら商品として出来るまでに長い年月が掛かっています。また商品として世に出てからも、早い時間から仕込みをしてどうすれば美味しく頂いて貰えるかを試行錯誤しながら毎日作っていただいている方もいます。しかし、その過程がなかなか見えない為か、なぜか平気で食べ残しをしてしまい、それが積もり積もってゴミ問題や廃棄物問題などに繋がっていきます。食べ物だけに限らずそういった見えない部分を実際に見る事、体験をする事で当事者意識が育まれます。私たちが日々生活している中で当たり前に存在しているものは、決して当たり前に存在しているわけではありません。まずは我々がしっかりとそこを理解し、市民の皆様を巻き込み環境問題の改善に向けた意識変革をして参りましょう。

また、本年で12回目となるうしくみらいエコフェスタでは、過去の開催状況から多くの来場者が訪れる事が予想されます。この環境問題の改善に向けて開催される、うしくみらいエコフェスタを通じて、参加者の皆様に身近な事から繋げられる環境問題の改善に向けた啓発をし、当事者意識を持っていただく為に発信して参りましょう。

<組織の運営>

 総務広報委員会の担いの1つとして広報活動があります。多くの市民の皆様に私たちが行っている運動を理解していただき、地域に必要とされる団体となる為にも私たちが行っている運動内容を分かりやすく地域に発信をする事が必要であります。そういった発信を心がけていく事で理解者や賛同者が増えていき、一般社団法人牛久青年会議所の存在価値に繋がると考えます。その為にも、総務広報委員会の役割は非常に重要であり、今までの広報手法も検証し、時代に合った発信方法も取り入れて参りましょう。また、総会や理事会の設営、会員名簿の作成、ホームページの管理等、数々の職務があり、組織の運営に関わる立場として、その重要性をしっかりと理解し、責任を持って活動して参りましょう。

 そして、本年は多くの会員がご卒業されます。今までの功績を称えると共に、感謝の意を込めて卒業式を盛大に開催致しましょう。

 事務局では、諸会議の設営、議事録の作成、スケジュール管理、対外事業の案内や動員、諸大会の設営等、多くの役割があります。多くの会員を動員する立場にとって大事な事は、開催される事業の内容をしっかりと把握し、会員に伝える事が必要です。しっかりと自分の中で事業の内容をかみ砕いて会員の動員に努めて参りましょう。

 財政局では、年会費の管理、財政審査会議の設営、予算や決算の作成など重要な役割があります。各委員会がより良い事業を構築していく為にも、しっかりとサポートの出来る存在となり、組織の運営に努めて参りましょう。

<結びに>

 8年前、青年会議所と出会い活動や運動を通して、人に対する自分の考え方が変わりました。自分本位の考え方から、人の心を動かす為にどうすれば良いのかを沢山の方との出会いから意識が変わりました。人との出会い、そして青年会議所との出会いに感謝すると共に、この青年会議所の運動が意義のあるものとして地域住民の方々に理解され我々が掲げた長期ビジョンの達成の為にも、自分と地域の可能性を信じ、挑戦する気持ちを持って運動して参りましょう。