第38代理事長 篠木 達也
第38代理事長 篠木 達也

はじめに>

私が一般社団法人 牛久青年会議所に入会したきっかけは地元が同じである先輩からの紹介でした。青年会議所の目的も分からず、先輩に自分自身の頑張りを認めてもらいたい一心で活動してまいりました。しかし、それは自分が認められたいだけであり、地域に必要とされる団体のなかで、自らの矛盾に気付けておりませんでした。自分本位な考え方は、本質的な成長にはりません。まちのため、仲間のため、そして誰かのために行動できる強さを、自分自身が持てなければ、自己の成長、会社の成長、更にまちの成長へと繋がるはずがありません。本気で青年会議所運動に取り組んでいる仲間との出会いや、役職を得ることによる経験と責任感、そして失敗した時に支えてくれた仲間や家族、その全ての経験から、青年会議所の魅力や何のために活動しているのか、ようやく気付くことができました。

日本における青年会議所は、第二次世界大戦後の1949年、「祖国日本の復興」を目指し、責任感と情熱をもった青年有志により、東京の地から始まりました。そして、その想いは各地に広がり、共に向上し合い社会に貢献しようという理念のもと各地に青年会議所が誕生し、地域に根ざした組織として展開され、37年後の1986年9月28日に、日本で744番目の青年会議所として、私たちの住み暮らす牛久にも誕生しました。また、同年6月1日より市制が施行されたことにより,茨城県内で19番目の市として、10万人都市を目指し、新たなスタートを切りました。そして、東京都心から50kmという距離にあり、豊かな自然と、温和な気候に恵まれた暮らしやすいまちとして、さらには東京圏や近隣市町村のベッドタウンとして人口は増加し、それに伴いさまざま開発や変化経て、牛久市は発展してまいりました。青銅製立像としては世界一の高さを誇る牛久大仏、河童伝説やうな丼発祥の地である牛久沼、日本初の本格ワイン醸造所であり国指定重要文化財の牛久シャトーなど多くの地域資源や豊かな自然環境があり、現在では県外からも認知されるようになりました

しかし、2017年をピークに人口減少に転じ、牛久市第4次総合計画によると、高齢化に加え、若者の流出によるまちのにぎわいの低下、地域経済の縮小、激甚化する自然災害、更には近年の新型コロナウイルス感染症の拡大など、多様化するライフスタイルや、困難な状況が続いている現状にあります。

それでも、このさまざまな社会情勢の変化や困難な状況に対して青年会議所として社会的な責任と自覚を持ち、新しい価値を創造し続け、率先して行動する私たちだからこそ、地域にとってかけがえのない存在となります。戦後間もない日本で青年会議所を立ち上げた想いは、牛久と伝播され、そして親愛なる先輩諸兄姉をとおして今に受け継がれ、そして未来へと繋がっていくと確信しています。

人財発掘

全国的に青年会議所の会員数は減少を続け、一般社団法人 牛久青年会議所の会員数私の入会当初、2013年度は会員数が47名でしたが、本年度は正会員数が29名スタートと大幅に減少しております。本年度、一般社団法人 牛久青年会議所は約半数が入会3年未満のアカデミーメンバーであり、以前は9割が経営者や管理職等で構成されていましたが、現在は4割以上が会社員となっております。しかし、青年会議所運動の本質は変わらず運動展開を続け私たちさまざまな機会の提供をし続けています。

青年会議所がまちづくりや次世代育成等の対外事業、人材育成や研修事業等の対内事業、さまざまな事業をとおして、地域のためにより良い影響を与えるうえで、より多くの方に運動を発信する必要があり、同じ志を持ったメンバーは組織の絶対的な力となり、会員拡大をすることは組織力の向上に繋がります。まずは青年会議所運動の意味や会員拡大がなぜ必要なのかをメンバーが十分に理解し、地域の明るい豊かな社会の実現に向けて共に活動できる人財を発掘してまいりましょう。

時代や社会情勢の変化、そして新型コロナウイルス感染症による働き方の変化や社会経済への影響等、さまざまな変化は日々起こっております。そのような状況は今までもあり、青年会議所ではその時々の時代に合わせた組織に変化してきております。最も重要なのは、現在の会員構成からも分かるように、今の時代に合わせた会員拡大が必要でありますもちろん、仕事や家庭が第一優先であり、そこが伴っていなければ、地域や誰かのために行動することはできません。だからこそ、現在の社会状況や会員構成を踏まえたうえで、青年会議所運動を今後もより強く発信していける組織として進化してまいりましょう。

明るい未来創造

新型コロナウイルス感染症により、経済活動だけでなく、私生活でもさまざまな規制が行われ、大人だけでなく子供たちにも影響を与え、生活は一変し、今までの当り前が当たり前ではくなってしまいました。しかし今は、当たり前を取り戻そうとした時期から、当たり前ではなくなってしまった時代に何ができるのか向き合い、明るい未来のため、新しい当たり前に向かっていく必要があます。

2015年に国連総会で採択されたSDGsは2030年までに達成するべき持続可能な開発目標として、17の大項目が選定されました採択されてからしばらく経ち、確かに認知度は向上し、企業でも取り組みは増加していますが、大項目に選定されている、さまざまな課題を、個人間でどれだけ意識をっているでしょうか目標達成の進捗度は世界的にも低く、新型コロナウイルス感染症により達成がより厳しくなった目標もあります。すでに青年会議所としても取り組みは始まっていますが、今の時代だからこそ更に取り組むことで目標達成に向けて加速させていきましょう。個人個人の小さな一歩から、大きな課題でも解決できる大きな一歩に繋がるはずです。まずは次の世代のために、17の大項目に掲げられた様々な課題に対して改善できるきっかけを体験することで、より目標達成の意識を持ち、伝播することで、持続可能な明るい未来に向けて発信してまいりましょう

教育は学校、一般常識や礼儀等は家庭だった私たち親世代の教育環境から、核家族化や共働きが当たり前となった今、学校側に求められることは増え、祖父母や親が子供と過ごす時間は減少傾向にあります。そのさまざまな社会背景から、家族以外と過ごす時間が増えたなかで、祖父母や親子間から学んできたことを、地域全体で補う必要があると考えます。今の時代だからこそ、何が良くて、何が悪いのか、正しい認識を基に、子供だけではなく、大人に対しても発信し、地域全体で補いあえる信頼関係を構築してまいりましょう。

牛久沼活性化

牛久市東京都心から近く自然豊かな暮らしやすさを兼ね備えたまちではありますが、人口は2017年をピークに減少し続け、高齢化が進んでいる現状があります。そのような現状のなか、牛久市だけではなく、近隣地域には魅力的な地域資源が存在しており、人口減少や高齢化が進むなかで、牛久市だけのまちづくりではなく、近隣地域と連携を図ることで、継続的に地域資源を活かし、近隣地域と共に活性化させていくことが必要であります。

地域資源のなかでとりわけ牛久沼は非常に貴重なものだと考えております。国道6号に面しており、主要道路からのアクセスの良さという面で絶好のロケーションとなっておりますしかし、地域と地域を繋大幹線でありながら、十分にその魅力を発信できておりません。道の駅計画は整備途中で止まっておりますが、このようなウォーターフロント型の道の駅は関東圏内では少なく、さまざまな交流の場としての可能性を大いに秘めている場所だと確信しております。この恵まれた地域資源を活かすことで、近隣の地域との交流が促され、地域の活性化と繋がります。牛久沼は龍ヶ崎市区域内ではありますが、隣接する地域や団体と協力を図り、私たち青年会議所だからできる、広域的なまちづくりを主導して、地域を活性化してまいりましょう。

未来に向けて想いを引き継ぐ

本年度、一般社団法人 牛久青年会議所は約半数が入会3年未満のアカデミーメンバーで構成されております。単年度制という組織運営の中で、毎年、さまざまな成長の機会を与え続けることと同時に、今までの想いを引き継ぐことで、更なる成長に繋がります。

私たち一般社団法人 牛久青年会議所は2年後に創立40周年を迎えます。周年事業にはさまざまな目的がありますが、過去の歴史を振り返り、青年会議所としてさまざまな繋がりを再確認し、そのうえで今後の一般社団法人 牛久青年会議所としてのビジョンを打ち出す絶好の機会でもあります。しかし、近年行われた30周年や新型コロナウイルス感染症の影響により中止となってしまいましたが35周年を準備段階から経験した在籍メンバー非常に少ないため本年度から40周年に向けて、の重要性を理解したうえで、過去の歴史を振り返り、想いを引き継ぐことが重要でります40周年時にはご卒業されるメンバーも本年度アカデミーメンバーには含まれておりますが、今後も続いていく青年会議所運動のなかで今までの想いを途切れさせることなく、想いを引き継ぐ重要性をしっかりと理解したうえで、今後の青年会議所運動の糧となるような場を提供し、一般社団法人 牛久青年会議所の更なる成長に繋げてまいりましょう。

組織の基盤

年2回開催される総会は、私たちの年間事業計画や予算などを決める重要な場であり、多くの御来賓や仲間にお越しいただきます。総会を見ればそのLOMの在り方が分かるといわれるほど重要な場であり、組織の基盤として、一般社団法人 牛久青年会議所らしい、緊張感のある雰囲気のなか、厳粛に開催できるよう努めてまいりましょう。

組織基盤委員会は組織を円滑に運営するうえで、欠かせない存在です。理事会の設営、会員名簿の作成、各スケジュールの調整管理、情報の記録、備品の管理、ホームページの更新等、事前準備を心掛け、各委員会と連携を図り、会が円滑に運営できるよう努めてまいりましょう。

そして、広報活動を行ううえで、利便性の高いSNSによるものが主流となっておりますが、適切な広報内容か確認する必要があります。青年会議所としての発信を取り纏めていただき、適切な視点から確認をしてまいりましょう。そのうえで、さまざまな活動をわかりやすく、また迅速に発信、時代の流れに合わせた広報を行ってまいりましょう

事務局・財政局

組織を円滑に運営していく事務局・財政局の役割は非常に重要です。会議の設営、議事録の作成、スケジュールの管理、会計の管理、コンプライアンスのチェック、各種連絡など、表に出ることは少ないですが、これらの基本となる事柄にしっかりと取り組むことで、組織が円滑に機能します事務的な作業だけではなく、組織のために自発的な発信や活動を行い、組織の中核を担ってまいりましょう。

また、青年会議所ではさまざまな対外事業が開催されます。それら対外事業へ参加する場を提供し、青年会議所のスケールメリットを感じていただくことで、メンバーの成長、そして一般社団法人 牛久青年会議所の更なる進化に繋げていきましょう。

そして、本年度もご卒業されるメンバーがおります。所属年数や関わり方はそれぞれ異なりますが、一般社団法人 牛久青年会議所にとって大きな力となりました。その活動を共有し、ご卒業されるメンバーに感謝の気持ちが伝わる卒業式を、在籍メンバー全員と連携を図り、企画することで盛大に開催し、今後の青年会議所運動の糧としましょう。

エリア交流

 昨年度、茨城ブロック協議会で活動エリアの再編成があり、一般社団法人 牛久青年会議所はエリアDとして、新しいLOM間の関係性がスタートしました。

 青年会議所の三信条にもある友情は、青年会議所としての魅力の一つでもあります。青年会議所では、同じ志を持つさまざまな業種のメンバーとの出会いがあり、同じ志を持つメンバーだからこそ同じ悩みもあります。本気で話し合える仲間と出会う機会が増えることは、個人の成長、さらに一般社団法人 牛久青年会議所としての成長にも繋がります。しかし、近年の社会情勢の変化や新型コロナウイルス感染症の影響により、会員数の減少や、さまざまな事業や青年会議所活動による成長の機会も途切れた時期もありました。だからこそ、まだエリアの再編成から1年しか経過していませんが、同じエリアで青年会議所運動を行っていく中で、共通の地域資源やエリアの特性を活かし、私たちが主導して交流のきっかけとなる場を提供し、個人の成長、そして一般社団法人 牛久青年会議所の成長に繋げてまいりましょう。

<結びに>

入会当初の私は青年会議所についてよく分からないまま活動し、そしてさまざまな失敗もしてきました。そのなかで、出会えた仲間や支えていただいている家族はかけがえのない財産だと思っております。今は本気で、まちのため、仲間のため、そして誰かのため、と言えます。今まで取り組んできた青年会議所の経験のなかで、笑われたり、馬鹿にされることもたくさんありました。それでも、周りには支えてくれる仲間や家族がいます。失敗して落ち込んでも、また起き上がり、青年会議所のために時間を費やしているメンバーは誇りであり、夢や理想を語り合えるメンバーと共に運動展開をしていけば、必ず結果となり、地域により良い影響を与えられると信じています。青年として限られた時間のなかで、笑われても、馬鹿にされても、本気で夢中になれることに、覚悟と責任を持ち、共に取り組んでまいりましょう。時代の変化は速く、変化の度に困難に直面しますが、それでも時代の流れは続きます。困難な状況だからこそ、様々な時代を経てきた想いを繋ぎ、困難にも立ち向かい、新しい未来を何度でも繰り返しつくっていきましょう。